話を聞けない日本人       2

臨床心理士 武藤清栄さん 著「人の話を聞ける人 聞けない人」を読みました
武藤さんは、「国民総聞けない病」になっている
それは 家庭、職場、学校が 人の話を聞くための条件を次々に奪ってきたから、
とりわけ学校ですぐに答えを出す躾(しつけ)や教育ばかりが重要視されている いったん質問を受けたなら 正確にすばやく答えることに価値が置かれている
また、家庭環境の変化も大きい
核家族化、子育てのマニュアル化、小遣いATM化した祖父母、ご近所との没交渉、テレビゲーム、インターネット
家族のそれぞれが勝手な時間に食事する孤食、お受験、夜遅くまでの塾通い 
いずれも、対人コミニュケーション能力を伸ばす機会を子供から奪っている
本来、話す→聞く→考える→また話す→聞くといった手続きをふんで
悩みや本質に気がついたりして、精神的に成長するものだが、残念ながら子供たちは、そういう手続きがあることすら教えてもらえす、体だけが大きくなってしまうのだ
「日本人の聞けない病」は、大人たちも 経済優先のなかで、人と人結びつきを考えるより すばやく対応することを求められ 無駄を省いて結果だけを評価するようになった 
人の話に耳を傾ける暇もゆとりも奪われてしまった
今の時代は聞くよりも先に いかに要領よく相手をねじ伏せて 自分の意見を通すかが注目されている
しかし、それとは裏腹に、本音で話したがっている日本人があふれかえっている、
誰も聞いてくれそうもない時代だから
「聞ける人」は貴重であり また、同時に多くの人から必要とされている
武藤さんは、「話しを聞いてくれる人がいますか」と問い 
「話す」は「離す」「放す」に 通じます 言葉を出すことによって、こころを開け放ち、たまっていた怒り、憎しみ、悲しみを体から離すという意味合いを含んでいる  たとえ猫でも植物でも 口にだして話す効果は大きい ・・・・
 孤独感と悩みが尽きない時代です 人はとても弱い だから人の話を真剣に聞いてくれる人
 思いやりの心をもって 聞き上手になることが どんなに大切かがわかりました
話したくなるような 人間になるために大いに努力して 話が聞ける日本人に変わりましょう